PEPSとは

Progress in Earth and Planetary Science

PEPS(Progress in Earth and Planetary Science)は日本地球惑星科学連合(JpGU)が運営し、参加約50学協会が協力してSpringer-Natureから出版する、査読付きオープンアクセスの英文電子ジャーナルです。2014年に創刊され、読者はWeb上で論文を無料で閲覧できます。
PEPSは地球惑星科学の専門および横断的分野のトピックスを扱います。
論文タイプは、Review論文、Research論文、Data論文、Methdology論文を出版し、解放型のSPEPS特集号も扱います。

対象分野

地球惑星科学の全分野、および分野を超えたテーマに関する論文を扱います。

  • 宇宙惑星科学
  • 大気水圏科学
  • 地球人間圏科学
  • 固体地球科学
  • 地球生命科学
  • 横断的分野

扱う論文タイプ

  • Research article:通常の研究論文
  • Review article:最新知識を体系的に集約した総論
  • Papers with full data attached:観測等で収集されたデータを科学的根拠とともに提供する論文
  • Methdology:解析法、分析法など方法に特化した論文
  • Comment:PEPSに掲載された既発表論文の再解析論文

論文掲載料:APC

  • 1) 招待論文については、JpGUがAPCを全額補助します。
  • 2) JpGU会員/Review論文には、20%割引が適用されます。
  • 3) JpGU非会員の通常論文は正規のAPCとなります。

詳細>>(論文掲載料(APC)についての内容)

ジャーナルの名称の由来

さまざまな名称候補の中から、個別分野の偏りがなく、内容がすぐに分かる名称ということで。”Progress in Earth and Planetary Science” にするのがよいと、理事会全員一致で決まりました。
”Science” と単数になったのは統合的なサイエンスを目指すためです。

連合がジャーナルを出版する意義

個々の研究者レベルでみると、海外のジャーナルへの論文の投稿で十分との意見がありますが、これまでも社会の混乱(経済的困窮、戦争など)、イデオロギーの対立などにより世界的レベルで誌上発表などが影響を受けたことがあります。
日本のコミュニティとして「学問の自由・独立」といった観点からも独自のジャーナルをもつことは重要です。
もちろん、日本から情報発信していくために、日本の地球惑星科学コミュニティ全体としての強力なジャーナルを持つことの重要性はいうまでもありません。

ジャーナルの目指すもの

“Progress in Earth and Planetary Science” は、文字媒体による国際情報発信を目的としたものです。
目標は「日本の地球惑星科学分野の国際情報発信強化」ですが、具体的には

  • 地球惑星科学における世界の一極を担える「オープンアクセス電子ジャーナル」の創刊
  • 連合大会の多角的・統合的な成果の公表
  • JpGU 参加50学会との共同発行

などを実現することです。
最終的に日本学術振興会の補助なしに「独り立ち」できるまで成長したいと計画しています。

オープンアクセス
電子ジャーナルの特徴

“Progress in Earth and Planetary Science” は「オープンアクセス電子ジャーナル」です。
オープンアクセスとは、読者が無料で何の制限もなく購読できることを意味します。
その哲学は、「研究成果は納税者も含めた社会全体に還元されるべき」という考えに基づきます。
出版された論文のアーカイブは、世界の数カ所にある巨大なデータセンターに半永久的に保存されます。
個人のホームペ-ジに、ご自分の論文のpdfを自由に掲載でき、成果をアピールすることもできます。

現在、大学の図書館で契約額が毎年数%上昇し、購読料が大きな問題となっていますが、「オープンアクセス電子ジャーナル」なら読者は自由に閲覧できます。

掲載論文の特徴

“Progress in Earth and Planetary Science” は、地球惑星科学を構成するすべての分野及びその関連分野をカバーします。
宇宙惑星科学、大気水圏科学、地球人間圏科学、固体地球科学、地球生命科学はもとより、地球環境問題のような個別セクションを超えた地球惑星科学全体に関わるテーマを扱い、JpGUの特徴である地球惑星科学に関する複合的観点からのアプローチ、統合的概念の創出をめざします。
論文のカテゴリーに関しては、

  • 地球惑星科学の最新の知見に関するレビュー(総論)
  • 連合大会の多角的・統的な成果発表の中から優秀な発表論文を文字媒体としたもの
  • 一般投稿論文

とします。レターは扱いません。
「電子ジャーナル」の特徴を活かして、アニメーションを使用した説明を掲げる論文、大容量のデータなどを扱うPaper with full data attached なども歓迎します。

レビュー論文に期待するもの

  • あるテーマについて、基礎的な知識の解説から現代の最前線の研究の取り組みと将来の課題
  • あるテーマについて、分野外を超えた研究者(学生)への解説と分野横断的な学問に発展するための取り組みと将来の課題
  • 地球惑星科学の知識・理論・概念などを整理し、新たな研究の鉱脈の提示
  • 個々の論文だけでは理解しにくい、あるテーマの全体像の提示
  • 「BOOK」から得られる情報より最新の体系的な知識
  • 新規プロジェクトについては、その分野の蓄積されたデータと解釈のまとめと今後の課題
  • 過去のプロジェクトについては、プロジェクト以前の分野の現状、プロジェクトによる進展、そして、将来の課題
  • 大学のゼミでの使用による若手研究者(学生)の啓発
  • 大学のゼミでの使用による分野外研究者(学生)の啓発

投稿料金について

論文掲載料金(APC)は、以下の通りです:

  • 1) 招待論文については、JpGUがAPCを全額補助します。
  • 2) JpGU会員/Review論文には、20%割引が適用されます。
  • 3) JpGU非会員の通常論文は正規のAPCとなります。

なお、一般投稿論文はもちろん、招待論文、総論、Paper with full data attached、連合大会セッション・コンビーナ推薦論文についても、すべてピアレビュアーによる査読を行います。

これにより、公平性と掲載論文の質が確保されています。

ぜひとも、会員諸氏のベストと思われる研究成果を “Progress in Earth and Planetary Science” に投稿していただき、本ジャーナルが地球惑星科学分野を代表する国際誌として育つことを期待します。