GOSAT-GW温室効果ガス観測ミッション:目的、概念的枠組み、科学貢献
- Keywords:
- Greenhouse gas, Air pollutant, Carbon dioxide, Nitrogen oxides, Satellite, Global Stocktake
温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)は、GOSATとGOSAT-2に続く、GOSATシリーズ3番目の地球観測衛星で、大気中の二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、二酸化窒素(NO2)の全球観測を1つのプラットフォームで同時に行うことが可能である。GOSAT-GWは、温室効果ガス観測センサ3型(TANSO-3)および高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)を搭載しており、回帰日数3日で太陽同期準回帰軌道を飛行する。TANSO-3にはプッシュブルーム方式による2つの観測モードがあり、広域モードでは10kmの空間分解能で3日以内に全球を面的にカバーし、精密モードでは1〜3kmの高空間分解能で対象エリアを捉えることができる。また、AMSR3は陸、海、大気から放出されるマイクロ波を観測するセンサで、温度、降水量、水蒸気プロファイル、海氷、土壌水分量など、地球の水循環に関連するパラメータを測定する。GOSAT-GW温室効果ガス観測ミッションの目的は、(1) CO2とCH4の全大気平均濃度のモニタリング、(2) 国別人為起源CO2およびCH4排出量の検証、(3) 都市圏や発電所など、CO2とCH4の大規模排出源のモニタリングである。これらの測定は特にパリ協定の重要な要素であるグローバル・ストックテイクに寄与し、気候変動緩和の取り組みに大きく貢献すると期待される。