Progress in Earth and Planetary Science (PEPS)

日本語要旨

review articles : 固体地球科学

沈み込み帯の熱構造に関する入門レビュー：IIーモデルと観測の比較

シアン・R・ウイルソン, ピーター・ファン・ケーケン，

Keywords:: 地球動力学、プレートテクトニクス、有限要素法、沈み込み帯変成作用、島弧火山作用

最新の沈み込み帯の定常状態の熱構造の基準図（ベンチマーク）．a) ケース１（粘性一定η=1）の場合においてTF(TerraFERMA)で計算した温度．ｂ）ケース１の場合において，ＴＦによる計算結果とSepranによる計算結果との温度差．ここでは，カップリングポイントでの有限要素法の最小グリッド（fm）をfm=１としてペナルテイ関数法を用いて計算している．C)ケース１の場合のスラブ最上面の温度分布を示す．実線はＴＦ，点はSepranによる結果を示す．ケース２（粘性係数が温度と歪速度に依存する場合）の計算結果．d), e), f)はそれぞれ，ケース１のa), b), c)に対応している．星印は，カップリングポイントの場所および温度を示す．

沈み込み帯の熱構造は、活動的な収束プレートの縁で起こる物理的および化学的プロセスを理解するための基礎である。これらには、マグマの生成と関連する島弧の火山活動、浅部および深部の地震活動、流体を放出する可能性のある変成反応が含まれる。

モデルが完全に記述されている場合、計算モデルは熱構造を高い数値精度で予測できるが、これは正確性や適用性を保証するものではない。この3部作の論文では、沈み込み帯熱構造モデルの構築、沈み込み帯研究への適用、および地球物理学的および地球化学的観測との関連が議論されている。第二作目の本論文では，熱構造を予測するために使用する有限要素法の有効性を示しながら，この方法の入門的な解説を行う．

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