日本語要旨

LBM吹きだまりモデルと観測の結果の比較

この研究では、数値モデルを用いて1回の吹雪イベントで形成される吹きだまりの再現実験を行った。モデルは、格子ボルツマン法によるLarge-eddy simulationを使った流体計算部と、従来の移流アルゴリズムで代表雪粒子をラグランジュ的に追跡した雪粒子計算部とで構成されている。モデルの流入条件として弟子屈町で観測された4時間の吹雪イベントにおける風分布を使用し、モデルで推定された吹きだまり分布と、この吹雪イベントで実際に観測された吹きだまり分布とを比較した。このモデルは、並列化によって現実的な領域における吹雪1イベントの吹きだまり分布の推定を可能にしている。こうしてアップグレードしたモデルは、3次元フェンスの中央で観測された吹きだまりのピーク位置とその高さを定量的に再現した。