「地球規模気候変化の予測と影響評価」の序文
- Keywords:
- Climate change, climate model, Earth system model, regional climate model, hazard prediction, IPCC, CMIP6
人間活動による温室効果気体の排出によって気候が変化し、その変化が社会に与える影響がすでに顕在化していると、多くの研究者が考えるようになってきている。地球環境の数値シミュレーションモデルによる気候変動予測実験のデザイン「CMIP6(Coupled Model Intercomparison Project Phase 6)プロトコル」に基づく予測が、世界中の主要な気候モデルセンターで行われ、予測データが国際的に配信されている。文部科学省は2017年度に「統合的気候モデル高度化研究プログラム」(以下、統合P)を立ち上げ、CMIP6予測データを創出するモデルの開発を推進し、予測結果を動的ダウンスケールや影響評価研究に活用している。本特集号では、統合Pで実施された研究を中心に、関連する研究論文を掲載している。気候変動予測研究の分野における統合Pの進展を把握するために、本特集号が一助となることを願う。