日本語要旨

太陽は活動的なダイナモの天体であり、あらゆる波長の放射と太陽風プラズマを惑星間空間に放出している。地球はこの太陽からの放射と太陽風にさらされ、その周辺の宇宙空間であるジオスペースや大気でさまざまな応答を示す。この太陽と地球の結合過程はミリ秒から百年以上の時間スケールにわたって起きている。11年周期を示す太陽活動は、近年の3周期では徐々に減少しつつあり、近い将来に大きな極小期を迎える可能性がある。VarSITI（Variability of the Sun and its terrestrial impact：太陽活動変動とその地球への影響）プログラムは、SCOSTEP（Scientific Committee on Solar-Terrestrial Physics：太陽地球系物理学科学委員会）が2014-2018年に推進した5か年プログラムで、この太陽活動変動とその地球への影響に焦点を当てている。この論文では、SCOSTEPの背景と過去のプログラム、5年間のVarSITIプログラムの達成した成果、VarSITI後に残された重要な課題をレビューする。