日本語要旨

数値ダイナモにおける深部磁場生成

オーム散逸に抗してダイナモ作用によって磁場が維持されるには,流れが磁力線を引き伸ばすプロセス,つまり運動エネルギーが磁気エネルギーへと変換されるプロセスが必要である.ダイナモ作用では球殻内部における磁力線の引き伸ばしが重要な役割を果たしている.本論文では,自励3次元数値ダイナモから得られるスナップショットを解析することにより,球殻内部において磁場動径成分Brの永年変化をもたらす磁場と流れの相互作用の性質を解明することを目的とする.球殻外側境界に見られる強い磁束斑の位置と,その「根」としての球殻内部のBrの分布にはタンジェント・シリンダ(内核と赤道で接し,自転軸に平行な仮想的円筒)と柱状の対流セルの影響が現れている.(磁力線引き伸ばしによるBrの時間変化)/(移流によるBrの時間変化)という割合は,(ポロイダル流)/(トロイダル流)という割合より1.5~3倍ほど大きい.ポロイダル流が持つ動径方向の流れがトロイダル磁場の磁力線を引き伸ばしてポロイダル磁場を生成するプロセスがダイナモ機構として有効に機能する.球殻内部での磁力線引き伸ばしプロセスは球殻外側境界での磁力線引き伸ばしプロセスと同様なパラメータ依存性を示し,磁気プラントル数依存性が最も強い.我々の結果は球殻外側境界で強い磁束斑を維持する球殻内部ダイナモ機構を理解する上での手掛かりとなる.